ビタミンDは、必須栄養素の一種で日光を浴びた時に体内で生成されます。また、食事やサプリでも摂取することができます。
特に日光が少ない地域では欠乏しがちなので、海外では医者や政府がサプリの摂取を推奨していることもあります。
今回は、そんなビタミンDの効果・使い方・副作用について解説していきます。
ビタミンDの効果
2017年のメタ分析によると、ビタミンDの欠乏と認知機能の低下には相関があった(d=0.12、p<0.001)が、 ビタミンDサプリによって認知機能が上がる研究も多くあるが証拠はまだ確定的ではない(d=0.21、p=0.1)と報告している。1
さらに、2019年のメタ分析によるとビタミンDの欠乏は認知症・アルツハイマー病とも強い相関がある。2
また、2019年のメタ分析によるとビタミンDのサプリは鬱の症状を軽減する効果がある(d=0.58、p<0.001)。3
余談ですが、 2017年のメタ分析によるとビタミンDのサプリには筋力を上げる効果があります。4 また、2019年のメタ分析によるとガン死亡率を16%下げるなどの効果もあります。5
ビタミンDが欠乏すると認知機能が低下するので、できれば欠乏しないように気をつけたいところですが、 2017年の系統的レビューによるとインドアワーカーの90.9%はビタミンDが欠乏している6 のでよっぽどアウトドア派でもなければサプリで補った方がいいでしょう。
使い方
2015年の研究によると健康的な人で1,885 IUのビタミンDを摂取するのがが理想的であるとしている。7
ちなみに太り気味の人と肥満の人はそれぞれ2,802 IU、6,235 IUが推奨されている。
ちなみに、ビタミンDは食べ物だと、しらす、しゃけ、いわし、さんま、さばなどの魚類にも多く含まれています。
食品 | ビタミンD(IU/100g) |
塩鮭 | 1600 |
銀鮭・白鮭 | 1400 |
ヒラメ・本マグロ | 720 |
紅鮭・うなぎ | 560 |
サンマ・サバ・シラス | 440 |
魚は他にも頭をよくする成分(オメガ3、DHA)などが含まれているので、定期的に食べるのがオススメ。
しかし、それでも毎日1,885 IUのビタミンDを食事から摂取するのはかなり難しいのでサプリも併用した方がいいでしょう。
副作用
ビタミンDは摂り過ぎると食欲不振・体重減少・多尿・不整脈を引き起こします。
1日に10,000 IU以下が推奨されており、安全マージンをとって4,000 IUが安全ラインだとされています。8
結論:欠乏しないように気をつける
ビタミンDは欠乏すると認知機能とメンタルに悪影響があります。
日光を浴びることで生成されるので、普段あまり外出しない人は気をつけてください。
基本的に欠乏しやすいので、食事・サプリなども併用した方がいいでしょう。
- Goodwill, Alicia M, and Cassandra Szoeke. “A Systematic Review and Meta-Analysis of The Effect of Low Vitamin D on Cognition.” Journal of the American Geriatrics Society vol. 65,10 (2017): 2161-2168. https://doi.org/10.1111/jgs.15012↩
- Chai, B., Gao, F., Wu, R. et al. Vitamin D deficiency as a risk factor for dementia and Alzheimer’s disease: an updated meta-analysis. BMC Neurol 19, 284 (2019). https://doi.org/10.1186/s12883-019-1500-6↩
- Vellekkatt, F, and V Menon. “Efficacy of vitamin D supplementation in major depression: A meta-analysis of randomized controlled trials.” Journal of postgraduate medicine vol. 65,2 (2019): 74-80. https://doi.org/10.4103/jpgm.JPGM_571_17↩
- Farrokhyar, Forough et al. “Effects of Vitamin D Supplementation on Serum 25-Hydroxyvitamin D Concentrations and Physical Performance in Athletes: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials.” Sports medicine (Auckland, N.Z.) vol. 47,11 (2017): 2323-2339. https://doi.org/10.1007/s40279-017-0749-4↩
- Zhang, Yu et al. “Association between vitamin D supplementation and mortality: systematic review and meta-analysis.” BMJ (Clinical research ed.) vol. 366 l4673. 12 Aug. 2019, https://doi.org/10.1136/bmj.l4673↩
- Sowah, Daniel et al. “Vitamin D levels and deficiency with different occupations: a systematic review.” BMC public health vol. 17,1 519. 22 Jun. 2017, https://doi.org/10.1186/s12889-017-4436-z↩
- Veugelers, Paul J et al. “Optimal Vitamin D Supplementation Doses that Minimize the Risk for Both Low and High Serum 25-Hydroxyvitamin D Concentrations in the General Population.” Nutrients vol. 7,12 10189-208. 4 Dec. 2015, https://doi.org/10.3390/nu7125527↩
- Institute of Medicine (US) Committee to Review Dietary Reference Intakes for Vitamin D and Calcium. Dietary Reference Intakes for Calcium and Vitamin D. Edited by A Catharine Ross et. al., National Academies Press (US), 2011. https://doi.org/10.17226/13050↩