運動で頭をよくする方法シリーズ
この記事では有酸素運動が頭の良さにどう影響するか紹介していきます。
有酸素運動の効果
2013年に発表されたメタ分析によると、軽い有酸素運動を行うと短期記憶と長期記憶が一時的が上昇します。1
短期記憶に対しては、低強度(d=0.57, p=0.003)で20分以内の短時間の運動(d=0.63, p=0.001)が最も効果がいいとされています。
長期記憶に対しては、低強度(d=0.68, p=0.001)で20分以内の短時間の運動(d=0.53, p=0.008)で効果が得られ、 40分以内の中程度の時間の運動(d=0.88, p=0.0006)だとさらに効果が上がります。
長期的な効果ですと、短期記憶が長期的に向上することが確認されています。(d=0.34, p=0.0005)1
2010年のメタ分析によると、処理速度(d=0.18)や実行機能(d=0.19)も一時的に向上しました。2
2005年のメタ分析では、メンタルが向上(d=0.47)すると報告されています。3
また、朝に運動すると効果的だったり(d=0.436)、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせた方が効果的(d=0.371)という報告もあります。4
結論:朝の有酸素運動はあり
個人的に注目に値すると思うのが、「朝に運動をすると効果的」という点と「有酸素運動と無酸素運動を組み合わせた方が効果的」という点。
「朝に運動をすると効果的」については、運動をすることで脳が寝ぼけ状態から覚醒したということでしょう。 目が覚めたら運動をするのは基本的に正しそう。
「有酸素運動と無酸素運動を組み合わせた方が効果的」については、筋トレの効果と比較するとわかりやすいですね。
- 認知機能への効果は筋トレの方が優れている
- メンタルへの効果は同程度
- 短期記憶・長期記憶への効果は有酸素運動の方が優れている
どっちも優れた点があるなら組み合わせればいい。いいとこ取りの発想ですね。
結論としては、朝は有酸素運動で寝ぼけた頭を起こして、普段は筋トレと有酸素運動を組み合わせるのが一番ということですかね。
一般的に健康的と言われるスタイルに落ち着きますね。
この普通の健康的な習慣が認知機能・メンタル・記憶力などにしっかり効果があるのはお墨付きということなので、ぜひ毎日やっていただきたいところです。
- Roig, Marc, et al. “The Effects of Cardiovascular Exercise on Human Memory: A Review with Meta-Analysis.” Neuroscience & Biobehavioral Reviews, Pergamon, 24 June 2013, https://doi.org/10.1016/j.neubiorev.2013.06.012↩
- Lambourne, Kate, and Phillip Tomporowski. “The Effect of Exercise-Induced Arousal on Cognitive Task Performance: A Meta-Regression Analysis.” Brain Research, Elsevier, 8 Apr. 2010, https://doi.org/10.1016/j.brainres.2010.03.091↩
- Reed, Justy, and Deniz S. Ones. “The Effect of Acute Aerobic Exercise on Positive Activated Affect: A Meta-Analysis.” Psychology of Sport and Exercise, Elsevier, 9 Mar. 2006, https://doi.org/10.1016/j.psychsport.2005.11.003↩
- Chang, Y.K., et al. “The Effects of Acute Exercise on Cognitive Performance: A Meta-Analysis.” Brain Research, Elsevier, 3 Mar. 2012, https://doi.org/10.1016/j.brainres.2012.02.068↩