誰でも、チームで仕事をすることがあるでしょう。
今回は、チームの成果をあげるために「リーダーが何をすべきか」を科学的根拠とともに紹介していきます。
チームの成果をあげるリーダーシップの原則
2018年のメタ分析では、31の国で行われた計112の論文をまとめ、特定のリーダーの行動がどれくらいチームの成果を上げるかを調べました。
その結果、以下の行動がチームのパフォーマンスを上げることがわかりました。1
- 組織ビジョン(d=0.52)
- 動機付けコミュニケーション(d=0.52)
- 理想的な行動の見本(d=0.41)
- インプットとフィードバックの奨励(d=0.30)
- クリエイティブな解決策を求める(d=0.43)
- 意思決定の共有(d=0.45)
- 関係づくりの習慣(d=0.41)
- 自信づくりの習慣(d=0.49)
- コーチング習慣(d=0.54)
- 期待(d=0.16)
- 報酬(d=0.30)
具体的にどのようなものか以下に説明します。
組織ビジョン(効果:大)
「チームのビジョン、目的、価値、信条などを明示する。積極的に信条、価値、目的、望まれる成果をメンバーと共有し、議論する。現実的で、魅力的で、感動的な、現状維持よりも優れた未来を描く。」
はっきりした目的があると頑張れるということですね。
動機付けコミュニケーション(効果:大)
「メンバーの能力、強みがチームの目的や行動においてどれだけ重要かを話す。モチベーションと自信を作るようなポジティブな激励を心がける。」
メンバーの心のケアですね。誰だって褒められるのは嬉しいし、必要とされていたいのです。ちゃんと言葉にしないと伝わらないのではっきり言いましょう。
理想的な行動の見本(効果:中)
「メンバーの見本となるような態度、行動を示す」
そのまんまですね。まずは自分から手本を示しましょうということです。
インプットとフィードバックの奨励(効果:中)
「メンバーの積極性を上げるために、チームをより良くするようなアイデアやフィードバックを奨励する。」
自分の考えが取り入れられると、もっと積極的に関わりたくなるものですからね。もっと話題を振りましょう。
クリエイティブな解決策を求める(効果=中)
「既存の習慣や価値観を壊すようなクリエイティブでイノベーティブな解決策をメンバーに求める」
無茶振り!と思うかもしれないけど、聞かれなければそもそも考えないですからね。普段から求め続ければ、いつの間にか日常的に工夫できることを探すようになるかも?
意思決定の共有(効果:中)
「メンバーを積極的にゴール達成のための戦略や戦術の意思決定に関わらせる。そうすることで、メンバーの自信が育ち、チームへのコミットメントも強化される。」
自分が重要な役割をしていると思えば、より頑張れますからね。
関係づくりの習慣(効果:中)
「メンバーの価値観、求めるもの、個性を気にかけ、隠し事をせずに話せる信頼関係を築く。お互いに尊敬、信頼、感謝をすることができる関係が理想」
お互いに信頼できる間柄の方が仕事が捗るということですね。リモートワークだと一工夫いりそう。
自信づくりの習慣(効果:中)
「メンバーを重要な仕事に関わらせ、自尊心と自信を育てる」
繰り返しになりますが、自分が重要な存在だと思うほど、より努力したくなるものです。
コーチング習慣(効果:大)
「メンバーのいいところを伸ばすように、献身的なサポートとフィードバックを与える」
教育は大切ということですね。
期待(効果:小)
「求められる成果や態度を明示する。期待はメンバーの職務理解と自信を育てる。」
自己重要感と責任感ですかね。再三言いますが、人は自分が重要な人物だと思うほど頑張れるということですね。
報酬(効果:中)
「メンバーの努力と成果を正当に評価し、ねぎらう」
褒められれば、頑張ってよかったと思えますよね。
結論
自己啓発本みたいな内容ですね。
しかし、これらの方法がただの理想論ではなく、統計的にも効果があると立証されたわけです。
チームで仕事をする際にぜひ活用してください。
- Dunst, Carl J. et al. “Meta-Analysis of the Relationships between Different Leadership Practices and Organizational, Teaming, Leader, and Employee Outcomes.” (2018). https://eric.ed.gov/?id=EJ1192239↩